今回の作業場ブログは、N-boxの交換レベルの大へこみを板金修理する「このヘコミ交換せずに直りますシリーズ」をご紹介します。
左側面全体にわたる大きな損傷
損傷は左側面全体に広がっており、左フロントフェンダーとフロントドアには手のひらサイズのヘコミが確認できます。
そしてメインの損傷は、左リアドアとリアクォーターパネル。
このように塑性変形が複数発生し、リアドアには全体にわたって弾性変形が広がっています。通常ならパネル交換となるケースですが、今回は板金修理で挑戦します。
リサイクルパーツでの対応も検討できますが、近年は良品が少なく、新品パネルよりも高額になることもあります。
マースガレージでも、これほど大きなヘコミの板金は稀。歪みが若干残る前提でご了承いただいた上で修理を開始いたしました。
今回は、同時にご依頼いただいたボンネットのひょう被害(簡易板金修理)については、次回ご紹介いたします。
板金作業スタート!まずはドアから
まず内張を外し、裏側からも作業できるように準備します。
N-BOXは付属パーツが多く、分解に手間がかかります。
それではドアの縁から引き出し作業開始。
深いヘコミも順番に線で引き出していきます。
完全に元通りにするのは難しいため、鋼板の伸びが発生する大きなヘコミ中心箇所を、パネル全体から緩やかな3〜5mm程度の「丘状」に平面化し、目立ちにくい仕上がりを目指します。
位置を変えながら慎重に引き出しを進めていきます。
深いヘコミが無くなったら、他のエリアの鈑金へ。
プレスライン下のヘコミや弾性変形の修正にも着手。
粗出し板金が完了しました!
クォーターパネルの板金作業
全体をサンディングし、形を確認します。
原型が失われたような形状。この部位を交換すると、ボディカットが必要になり費用がかさみます。
板金修理で何とか進めていきましょう!
ドアとの段違いを修正。
ヘコミ部分を線で溶着しながら引き出します。
スライドレール上部の複雑なヘコミには、溶着ワッシャーのスペースを狭めてより均等に線で力強く引いて行きます。
ハンマリングと引きを繰り返して徐々に復元。
だいぶ形が整ってきました!
その他のエリアの板金へ。こちらは点で引き出す事を中心に残りの凹みも修正。
全体の粗出しが完了です。
微細板金からパテ作業へ
溶接機のアンペアを調整しながら細かく引き出しとハンマリング。
クォーターパネルのBefore→After。かなり復元できました。
ドア側もさらに板金を進行。
いよいよパテ工程へ入って行きます。
まずはリアドア部のパテ整形。
範囲は広がりましたが、できる限り違和感なく仕上げています。
クォーターパネル側も同様にパテ仕上げ。
かなりの時間をかけてパテ研ぎ均しまで完了しました。
サフェーサーを塗布し、最終研ぎ作業へ。
微細なディテールの復元もバッチリ。
塗装作業と仕上げ
まずクォーターパネルとサイドシル部の塗装。
スライドレールカバーも塗装。
乾燥後、ボディ本体の塗装。
本体塗装も完了です!
続いては肌調整。耐水ペーパーで均していきます。
このように艶は一旦消えますが、ここから磨きで復活!
ポリッシャーで最終仕上げ。
ここまで復元できました!
角度によって若干の揺らぎはありますが、損傷の大きさを考えると見事な復旧具合です。
🔶ビフォーアフター
(メイン個所)
(フロント部)
今回は交換せず板金での修理により、交換修理の半額以下でご提案することができました!
続いてはボンネットのえくぼ修理へ
こちらは約40か所の凹みを、塗装レスで接着剤プーリングにて修正してまいります。
その他の「このヘコミ交換せずに直りますシリーズ」も是非ご注目下さい!
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