塗装中に突然「チヂミ」発生!?現場で起きたトラブルと解決方法をご紹介

本日の作業場ブログは、現在お預かりしているお車の作業中に起きた、ちょっとした出来事をご紹介します。

今回は少しイレギュラーな内容ですが、作業中に思いもよらないトラブルが発生したため、忘れないうちに記録として残しておこうと思います。

お預かりしているN-BOXはリア事故修理でご入庫いただいておりますが、追加作業としてフロントグリルのイメージチェンジもご依頼いただきました。

ボディ同色のグリルを、マットブラックへ塗装していきます。


いつもの工程…のはずが

まずはグリルを取り外し、分解。

まずはグリルを分解

塗装するカラード部分のみを下地処理し、通常通りマットブラックへ塗装する予定でした。

サクッと終わる予定だったのですが…

しっかり足付け。プライマーは塗布しない。

薄塗りで塗り重ねる

ここで思わぬトラブルが発生しました。


塗装面がシワシワに…

写真のように、塗装した部分全体にシワが発生。

塗装業界では「チヂミ」と呼ばれる現象です。

このトラブルは意外と厄介で、

  • 下地の乾燥不足
  • サフェーサーとの相性
  • 旧塗膜の劣化
  • 素材との相性

など、原因は一つではありません。

そのため、発生すると原因を探りながら対処する必要があります。


今回の原因を考えてみると…

今回のケースでは、オイラ自身は素材側の影響が大きいと考えています。

正確には素材そのものというより、純正塗膜の許容膜厚が比較的低かった可能性があります。

プラスチック部品といっても、

  • PP(バンパーなど)
  • ABS(ドアミラーなど)

など様々な素材が使われており、それぞれ塗装時のクセがあります。

PPはフェザーエッジの処理が甘いと「ヤセ」が起きやすく、ABSでも条件によっては「チヂミ」が起こることがあります。

しかし今回のように広範囲で一気に発生したのは珍しく、正直かなり焦りました…。


ここで一筋の光

今回は塗膜を厚くしないよう、

プライマーをあえて使用せず、しっかり足付けを行い、薄く塗り重ねる方法で施工していました。

それでも発生したため、一時はかなりパニック状態…。

チヂンだ部分を引っ張ると剥がれる。

ところが試しに塗膜を指で引っ張ってみると、今回塗装した部分だけでなく、純正塗膜まで一緒にめくれてきました。

「これはもしかすると…。」

うまくいけば、全面剥離できるかもしれません。


全面剥離から再スタート

すると予想どおり、フィルムを剥がすように旧塗膜まで綺麗に剥離。

かなり時間は掛かりましたが、きれいに隅々まで全部剥がれた

ここまで綺麗に剥がれると、チヂミの原因となる旧塗膜は完全になくなります。

1000番のサンドペーパーで全体を整えた後、今度はプライマーを塗布し、再びマットブラックで塗装。

(初回はチヂミを警戒してプライマーを省略しましたが、全面剥離後は素地になったため適正なプライマー処理を行いました。)

全体的に1000番ペーパーで均した後、プライマー塗布。

無事綺麗に塗り上がりました

 


今度は無事完成!

再塗装後は当然チヂミも発生することなく、綺麗に塗り上がりました✨️

今回のようなケースは滅多にありませんが、現場では予想外のことが起こる場合もあります。

それでも原因を一つずつ探り、その場で最適な方法を考えながら仕上げていくのも、鈑金塗装という仕事の難しさであり面白さでもあります。

また一つ良い経験となりました(^^)


※現在、作業場が大変混み合っており、お見積もり後すぐのご入庫はできない状況が続いております。
修理・施工をご希望の方は、ご予約をいただいた順にご案内しておりますので、あらかじめご了承のほどお願いいたします。

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